まるい平仮名

月と菓子パン

月と菓子パン

学生時代にクウネルの書評というかインタビューを読んで以来ずっと気になっていたのを、先日休憩時間に立ち寄った紀伊国屋書店で見つけたので購入。今回の帰省のお供にすることに。
例えば「豆腐屋」を「豆腐や」と書いていて、「屋」よりも「や」の方がまんまるくて温かみがあるってことを知った。食べ物についてだとか、住んでいる街の風景、人とのやりとりが、棘のない言葉で書かれていて読んでいて厭な気持ちにならないし、すうっと読むことができた。目が疲れてきたら栞を挟んで一眠りして、起きて気が向いたらまた読み始めればいい、みたいなのんびりした余裕。そういうのを味わうことができた。あまりに良かったので(装丁は山本容子さん)、実家の母親に手渡してきた。