29歳

29歳

「アラサー」というのは正確には28歳からの女性を指すらしい。この本に収録されている短編は雑誌「日経ウーマン」に連載されていたものらしいです。どおりで仕事や恋愛や不倫（しかもすべてに何かしらの分岐点が出てくる）の話が盛りだくさんなわけだ。
こういうアンソロジーものの良さは、好きな作家目当てに買って、普段読まない作家の作品を読んで、新たに気になる作家を見つけられる点。宮木あや子と野中柊の作品が良かった。柳美里は、やっぱりちょっと怖かった。数年の間でかなり柔らかい雰囲気にはなってるように思ったけど。それでもやっぱり個人的にはこわいなあと思った（好みの問題ですか）。そのあとに収録されていたせいもあるかも知れないけど、宮木あや子はちょっとした収穫だった。文章が軽やかでさくさくしていて、ところどころの描写は面白くて一気に読めた。
ぼんやりと毎日を過ごしていたらきっとあっと言う間に29歳になって、うわーもうすぐ30歳だわ…なんて私も言ってるのかね。29歳の私は何をしてるんだろうなぁ。[1月：5冊目]