生まれる森

生まれる森

すらすら読めた!文体があっさりしていて透明感があって好み。ところどころ重い話もにおわせつつ全部は見せないところが人によっては物足りないのかも知れないけど、私はうまいなあと思いながら読んだ。薄いうすいガラスが緊張感を保って最後までまっすぐ立っている感じ。
ちょっと冷めたような視点とか、心の痛みとか、おとこのひとの体温とか、くどくなくてすっと入ってきて、中盤ちょっと鼻の奥がツーンとした。昼間の天気の良い山手線車内で読み終えて、電車から降りても余韻が残っていて、この人の他の作品も読んでみたいなあと思った。
これ、正月休みに実家に帰った時に母親の本棚からこっそり拝借して持ち帰って来ていたのだけど、母さん他の作品買ってないかなあ。