サイダーのストローに細い指をからませて

夏休みの間に読んだものをアップしてたのだが寝ぼけて消してしまったので再度。
■帰省中に読んだ

晩年の子供 (講談社文庫)

晩年の子供 (講談社文庫)

「花火」という短編が好きで、夏に帰省する度読みたくなるので実家の本棚に常備。あの少し離れたところからの視線が好き。もう充分大人と呼ばれる年齢になっても、山田詠美作品に出てくる子供のほうがしっかりしてるなあと思ってしまう私は26歳です。

コイノカオリ (角川文庫)

コイノカオリ (角川文庫)

まず角田光代の作品内に知っている地名がたくさん出てきて妙にどきどきしてしまい、次の島本理生の作品内にとある小説のエピソードが出てくるんだけど、それが川端康成の『掌の小説』内の「貧者の恋人」という作品であることが分かって驚いた(今年2月に読んでて、しかも今回の帰省にあわせて持ち帰っていた)。「貧者の恋人」はレモンで化粧水を作るのが楽しみな女性のあまりに物悲しいお話です。

あとは、のだめを数巻と「A型 自分の説明書」をパラパラと。

■こちらに戻ってきてから読んだ

日本売春史―遊行女婦からソープランドまで (新潮選書)

日本売春史―遊行女婦からソープランドまで (新潮選書)

全編が先行研究への批判になっていて、そのどれも読んだことのない私にはもやーんとした感触しか残らず。でも興味深かったのは、歌舞伎についての記述。歌舞伎の創始者とされる出雲阿国も売春婦で、女性による歌舞伎が規制され野郎歌舞伎が主流になったとか、それでも残っていた役者買いが発端で起きたのが「大奥」の絵島事件。そういう流れをまったく知らなかったので(日本史も苦手でした)、ほーなるほどなー!と読んでいて面白かった。因みに新宿・歌舞伎町の名前の由来は戦後あそこに歌舞伎の演舞場を作ろうとしたことから付いたんだそうな(でも結局実現せず、コマ劇場ができた)。