東南角部屋二階の女

レイトショーで観てきました。淡々とした日常を追った映画でしょ時折は恋愛模様も織り込まれたりして、なんて思いながら観たけどなんかもっと深くて想像していたよりずっと良かった。
物事に向き合うとき(仕事、家のこと、対人関係)人のせいにしたり、まっすぐに取り組めず逃げ出したくなったりする若者たち、と、あえて「若者はこうすべきだ」なんてこと言わずに静かに見守って日々を大事に送る年配の人たちが徐々に距離を縮めていって、化学反応のようにちょっとずつではあるけど変化をもたらしていくというような内容で、すごく静かではあるけど観終えた後少なからず感動していたりして。静かな映画で、セリフのない無言のシーンから登場人物たちの心情を読み取ったりできたのも良かった。
西島秀俊加瀬亮っていう二人の人気俳優が出てるとなるとそれ目当てで観に行く人多いと思うけど、脇を固めた大御所俳優、おじいちゃん役の高橋昌也さん、ふじこさん役の香川京子さん、ろくさん役の塩見三省さんが本当に良くて、特にろくさんが飲みながら人との関わり方について話すシーンではちょっと泣きそうになったりした。すごく当り前のことを言ってたんだけど、言葉があたたかくて自然に沁み込んできた。終盤ふじこさんの気持ちがわっと溢れるシーンも逆光できれいだった。
レイトショー最終日というだけで観に行ったけど、良かった。観客の中には年配の人や男の人も多かったです。